自閉症の子育てをしながら仕事をしたいとお考えの皆さんは、果たして両立ができるのか気になる方も多いことでしょう。
また、現在進行形で仕事をしている方は、両立が厳しくてお悩みのことと存じます。
そこで本記事では自閉症の子育てと仕事の両立は厳しいのか、また、厳しいとされる理由や両立させるための対処法を詳しく解説します。
最後までご覧いただくことで、子育てとお仕事を上手に両立させるきっかけとなりえます。
子育てと仕事の両立はやっぱり厳しいのかな…
本記事をご覧いただければ、両立できるかもしれませんよ!
結論|自閉症の子育てと仕事の両立は厳しいができないこともない!
結論から言ってしまうと、子育てと仕事の両立は厳しいですが、なにもできないことはありません。
コツとしては、子育てと仕事を分けて考えることです。
また、子育て第一、仕事第二と優先順位を設けてものごとをこなしていくのも良いでしょう。
両方上手にこなそう・こなさないといけないと考えてしまうと、余計なストレスがかかってしまいます。
下記では、子育てと仕事の両立が厳しいとされる主な理由を紹介したのち、両立させるための方法を提示しているので、子育てとお仕事を並行して行なっている方や、これからお仕事をしたい方は参考までにご覧ください。
自閉症の子育てと仕事の両立が厳しい主な理由
子育てと仕事を上手に両立させるためには、厳しいとされている理由を再確認しておく必要があります。
自閉症の子育てと仕事の両立が厳しいとされる主な理由は、以下のとおりです。
それぞれ詳しく紹介するので、ぜひご覧ください。
子育てがすべてという世間体
子育てと仕事の両立を難しくさせている要因のひとつに『世間体』が挙げられます。
特に女性(お母さん)に対しては、「子育てをしながらなんて仕事は務まらない!」といった固定概念が根強く、以前から一般的であった専業主婦の文化に引っ張られている傾向にあります。
子育てはもちろん大切ですが、メリハリをもっておこなえば全く問題はなく、ましてや他人にどうこう言われる筋合いはありません。
近年では、女性がさまざまな業種で活躍する機会が増えており、女性×仕事への重要性も増しています。
しかしながら、まだまだそういった認識が拭いきれていないため、どうしても世間体を気にしながら仕事をする必要が出てきてしまう状況です。
保育施設の受け入れが厳しい
自閉症の重症度(レベル)によって一般的な保育園、施設といったお子さんを預ける施設は異なりますが、多くの地域ではいずれの施設も受け入れが厳しいとされています。
受け入れを厳しくしている理由は以下のとおりです。
各施設で収容能力が不足している
多くの地域で、自閉症をもつ子供の施設への収容能力が不足しています。
特に都心部で顕著な要因となっており、施設のスペースや専門的なスタッフ、およびリソースが限られていることから、待機状態が長くなってしまう傾向にあります。
施設の予算が不足している
自閉症の保育施設は、高度な支援が必要なとなるため特別な予算が必要となります。
予算不足は、施設の拡充やスタッフの育成に影響をもたらし、同時に受け入れを厳しくしている理由のひとつです。
専門的なスタッフが不足している
自閉症をもつ子供に対して、適切な対応ができる専門的なスタッフが不足している点も問題となっています。
専門的なトレーニングを受けたスタッフの人数が確保できないことには施設として成り立ちません。よって、スタッフに対して子供の人数を制限する必要が出てきてしまうのが現状です。
法的・規制上の制約
法的および規制上の要因が、自閉症に関する保育施設の設立と運営に影響を与えることがあります。
規制が厳格である場合、施設の設立や運営が難しくなる傾向にあり、同時に受け入れ体制にも影響を及ぼします。
子育てによって休職しがちになる
仕事も大切ですが、言わずもがな子育てをおろそかにはできません。
お子さんに何かあった場合、休職しなければならないケースも多々あるでしょう。
このように、休職しがちな状況下も両立が厳しいとされているひとつの理由となります。
また、休職しがちになる要因は以下が挙げられます。
育児の必要性
新生児期や幼児期の子供に対しては、特に丁寧な育児が必要となります。
子供に対する多くのケアと注意が必要となることから、この時期になると仕事との両立が難しくなる傾向にあるのです。
家庭状況
家庭環境が休職に大きな影響を与えます。
考えられる家庭環境の影響はさまざまですが、例えば、片親や身寄りがないといった状況で子育てと仕事を並行しておこなっていると子供に何かあった場合、どうしても休職しがちになってしまいます。
また、自閉症のお子さんを育てている方は特に上記のような状況になりやすいと言えるでしょう。
フレキシブルな労働条件の不足
柔軟な労働条件やリモートワークを提供していない企業や取引・バイト先に携わってしまうと、子育てとの両立が厳しくなり、休職を余儀なくされてしまう傾向にあります。
コロナ禍を機に、柔軟な対応をとっている勤め先も増えていますが、まだ対応していないところも多々存在しており、両立を厳しくしている理由のひとつです。
子育てと仕事のストレス
子育てと仕事のストレスは、多くの要因によって引き起こされます。
また、多くのストレスを抱えることで、仕事と育児のバランスを上手にとることが困難となります。
仕事と子育てを両立させるためにも、ストレスを抱えてしまう要因を改めて理解しておくことも重要です。
時間の制約
子供のケアはもちろん、家事や仕事、自己のケアを全て調整するためには、限られた時間を有効的に使うことが大切です。
しかし、「何時までにこれをやらなければならない」「早く終わらせないと」といった時間の制約により、ストレスが増加する傾向にあります。
仕事と家庭の調和
仕事と家庭の役割を調和させることが難しく、どちらか一方が忙しくなると途端に大きなストレスを抱えてしまいます。
特に、柔軟な労働条件が提供されていない場合は余計調和が難しくなり、ストレスがかかりやすくなる傾向にあります。
経済的負担
子育てをおこなう以上、経済的な負担がかかります。
育児のコストや教育費、保育料などが影響を与え、経済的な不安がストレスを引き起こす要因のひとつです。
また、給料が安すぎて費用対効果があっていない場合も、ストレスを感じやすくしてしまいます。
社会的プレッシャー
社会的な期待や家庭に対するプレッシャーが、ストレスを感じてしまう要因となりえます。
どうしても、他の親や社会と比較してしまうことから、子供や仕事がうまくいかなかった際にストレスを抱え込んでしまう傾向にあります。
育児の課題
子供が特別なケアを必要とする場合、その課題に向き合いながら対処する行為・思考自体がストレスを増加させます。
障害や健康問題といった、特別なニーズを持つお子さんを育児する親は、特にストレスを感じやすくなる傾向にあります。
職場のストレス
長時間労働や過度のプレッシャー、人間関係などが仕事と子育てのストレスを複合的に増加させることがあります。
これらは、個人の状況やリソース(処理能力)によって異なりますが、ストレスを抱えやすい要因のひとつです。
自閉症の子育てと仕事の両立させるための方法
両立が厳しい理由について確認いただいたところで、この項目では自閉症の子育てと自閉症の子育てと仕事の両立させるための方法を紹介します。
今回ピックアップした方法は下記の3つです。
それぞれ詳しく紹介しているので、子育てを大事にしながら仕事がしたい方はぜひご覧ください。
保育施設や親族に子供を預ける
仕事と子育てを両立させるために、まずは子供を施設や親族・知人に預ける必要があります。
上記でも一部紹介しましたが、子供を関係者や各施設に預けることは簡単ではありません。
そのため、下記で紹介する各ポイントを元に、辛抱強く依頼や審査をおこなうことが重要です。
保育施設を利用する場合
- まずは、自閉症スペクトラム障害(ASD)の子供を受け入れてくれる保育施設を探しましょう。保育園や幼稚園、特別支援学校など、特別な支援を提供する施設があるか、また評判はどうなのかネットや口コミで調査します。
- 選んだ施設と連絡を取り、育児の方針や適切なサポートについて相談または質問をします。施設のスタッフとのコミュニケーションが重要です。
- 施設を訪問し、雰囲気やプログラムについて詳しく見て回ります。自分の子供に合った場所かどうかを確認します。
- 施設に入所するために必要な手続きを行い、必要な書類や健康診断を提出します。
それでも見つからなかった場合は、各自治体や団体が運営する相談窓口に問い合わせてみましょう
親族や知人に預ける場合
- まずは、親族や知人にコンタクトをとって、了承してもらえるか聞いてみましょう。
- 親族や友人に子供を預ける前に十分なコミュニケーションをとりつつ、子供の特性やケアの仕方について説明するなど情報を共有します。
- 親族や知人が子供のルーチンを理解しやすくします。それぞれのニーズに合わせてスケジュールを調整することが重要です。
- 子供がケガや発作、病気などを引き起こしたときに対処できるよう、緊急時の計画を作成し、提供しておきましょう。
融通の利く職場を選択する
ストレスを軽減するためには、適切なサポートや時間管理といった柔軟な労働条件下の職場を探す必要があります。
そこで、柔軟な働き方ができる主な職場の条件を下記でピックアップしました。
リモートワーク
ご存知のとおりリモートワークとは、コロナ禍をきっかけに日本で普及し始めた働き方です。
職場やオフィスといった指定の場所に出勤することなく、自宅やカフェなどの遠隔地から仕事ができる労働形態を指します。
リモートワークは主にディスクワークで実施されている傾向にあるため、同職種で働くことが基本的な条件です。
職種が限定されるものの、子育てと仕事を同時進行でおこないやすいことから、両立しやすい働き方となります。
フレックス制
フレックス制とは、従業員に対して柔軟な勤務時間を提供する労働形態です。
この制度では、一般的となっている従来の固定された労働時間に縛られず、自分の都合に合わせて労働時間を調整することができます。
出勤時間や退社時間が設定されておらず、帰宅のタイミングを自分自身で決められる点が最大の魅力となっています。
一定水準の給料・待遇で妥協する
子育てと仕事を両立させるためには、一定水準の給料や待遇を確保したうえで各種条件を受け入れて働くことも大切です。
子育てをしながら仕事をするとなると、突然の休職や勤務時間の移動といったことが多々起こりうるため、少なからず職場に迷惑をかけてしまいます。
そういったことをふまえ、一定の給料や待遇で妥協し、理解のある職場に長く勤めることの方がストレスを軽減させつつ子育てと両立しやすくなります。
まとめ|自閉症の子育てと仕事の両立が厳しいと感じたら無理は禁物!
自閉症の子育てと仕事の両立は、容易なことではありません。
しかし、両立は絶対にできないというわけではないことを理解していただけたでしょうか。
子育てと仕事の両立が厳しい理由を把握し、対しての対処法を講じることが両立への近道です。
再度、各項目を参考にしていただき、ストレスなく子育てと仕事をこなしていただけると幸いです。
また、それでも厳しいと感じたら、無理は禁物です。仕事を一旦休職したり、知人や親族、専用窓口に相談しましょう。
抱えこみすぎず、皆さんが子育てと仕事を両立させることを切に願っています。
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